脳卒中
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少量のACE阻害薬による脳循環自動調節下限域の改善が症状の緩解に有効であった高血圧を伴う起立性低血圧症の1例
佐々木 伸浩荒川 修治長尾 哲彦井林 雪郎藤島 正敏
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1999 年 21 巻 3 号 p. 341-346

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抄録
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬投与による脳循環自動調節能下限域の低下が,症状の緩解に有効であった起立性低血圧症の1例を報告した.
症例は78歳,男性.12年前から高血圧症,10年前と8年前に脳梗塞(いずれもラクナ梗塞)の既往がある.8年前から立ちくらみが生じ,徐々に増悪したため入院した.血圧は臥位180/92mmHg,立位102/66mmHgで高度の起立性低血圧があり,検査の結果,AAアミロイドーシスが自律神経障害の原因と考えられた.Tilting tableを段階的に挙上させることで血圧を徐々に下降させ,連続的に経頭蓋超音波ドプラ(TCD)法により右中大脳動脈水平部の血流速度を測定し,脳循環自動調節能下限域を決定した.当初,下限域は平均血圧で95mmHgと高値を示したが,エナラプリル0.625mgの連日投与により80mmHgに低下した.一方,弾性ストッキングの併用により,立位での平均血圧は78mmHgから83mmHgへ上昇した.治療により,脳循環自動調節能下限域が立位での平均血圧を上回るようになり,症状も改善した.ACE阻害薬は高血圧を伴う起立性低血圧症の治療に有効である可能性が示唆された.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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