脳卒中
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徳島県における脳梗塞急性期医療の実態に関するアンケート調査
宇野 昌明永廣 信治
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2001 年 23 巻 2 号 p. 195-199

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抄録

徳島県における脳血管障害,特に急性期脳梗塞の医療の実態をアンケートにより調査したので報告する.徳島県下の86施設(総合病院では内科と脳神経外科)にアンケートを郵送し,41施設から回答を得た.脳卒中患者数は1年間で2,057例あり,1施設あたりの平均は63例であった.内訳は脳梗塞が1,670例(66%),脳出血が593例(24%),くも膜下出血が244例(10%)であった。急性期脳梗塞患者の発症から診察までの時間は内科を中心とした施設では発症後6時間以内が21%,1日以内が56%であり,脳神経外科医の施設より発症から早い時間に患者を診察していた.脳梗塞急性期に動脈内血栓溶解療法を施行したのは全脳梗塞患者の3%であった.脳卒中診療で内科医の施設で困っている点は紹介先がないこと,治療選択に迷うことがある点,脳外科医の施設ではリハビリ施設がない,使いたい薬剤が保険適応になっていないことが挙げられた.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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