抄録
脳梗塞により上肢のみの単麻痺を呈したpure motor monoparesis(PMM)8症例についてMRI拡散強調画像(diffusion-weighted imaging, DWI)を用いて検討した.全例が遠位側に強い上肢の麻痺を呈した.拡散強調画像で捉えられた責任病巣のほとんどは15mm以下の小病巣で,6例については複数の病巣を認めた.また,8例中4例では内頸動脈狭窄を,1例で一過性心房細動を,1例で卵円孔開存を認め,塞栓性機序が推測された。2次予防を選択するためにもDWIにより早期に責任病巣を明らかにし,発症機序を検討することが必要である.