脳卒中
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慢性の経過で発症し前頭葉症候を呈した深部脳静脈血栓症の1例
西田 浩清水 洋孝田中 優司衣斐 達佐橋 功
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2001 年 23 巻 2 号 p. 204-207

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抄録
44歳,男性,既往歴に糖尿病.緩徐進行性の自発性低下を主訴に入院.入院時は無関心・注意力低下と自発性消失,発語量の低下等の精神症状と動作緩慢,Gegenhaltenを認めた.高次機能検査では近時記憶障害,同じ色で同一部位を塗り続けるなど反復・常同動作を認めた.頭部MRIでは両側視床はT2強調画像で高信号を示し,同部位に造影効果を認めた.脳血管撮影静脈相では深部脳静脈が描出されず,また動脈相ではテント動脈より硬膜動静脈瘻(dural AVF)を認めたことより,dural AVF合併の深部脳静脈血栓症と診断した.本例は前頭葉症候で発症した点が特徴的であり,脳血流SPECT上両側前頭葉が低集積であったことより,視床―前頭葉間の連絡路障害による可能性を考えた.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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