脳卒中
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急性期脳血管障害の臨床的研究
-5報-脳室内血腫の周辺神経細胞に及ぼす影響
横井 和麻呂片田 和広四宮 陽一佐野 公俊神野 哲夫
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1982 年 4 巻 2 号 p. 94-99

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抄録

高血圧性脳出血外側型に脳室内鋳型状血腫を伴った症例は予後が悪いといわれてきた.本報告では脳室内鋳型状血腫が脳室周辺の神経細胞に及ぼす影響を形態的経時的に観察した.検索は主血腫と対側の尾状核神経細胞とし, 脳室内鋳型状血腫の2次的影響を追求した.
(1) 神経細胞は発症後経時的に変性の過程を示した.
(2) 変化は一般に言われている虚血性変性であった.
(3) 一般的に神経細胞はnuclear eccentory又はcentral chromatolysisの状態からは可逆性を示すといわれているが著者らの結果では上記状態は発症3日目にピークを示した.
(4) もし脳室内鋳型状血腫の影響を3日以内までにくいとめることが可能であれば脳室周辺の神経細胞の脱落をくいとめる可能性を強く示唆した.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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