脳卒中
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右尾状核頭出血後に抗利尿ホルモン分泌異常をきたした一例
長内 智宏目時 弘文金沢 武道盛 英機小野寺 庚午
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1983 年 5 巻 2 号 p. 117-123

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抄録
ADH分泌異常症候群 (SIADH) の誘因として中枢神経系疾患はよく知られているが, 脳血管障害は稀であるといわれている.著者らは脳血栓症患者が尾状核頭出血の併発後, 約1ヵ月間低Na血症を呈した症例を経験した.症例は67歳, 男性.主訴は左片麻痺.昭和53年10月14日脳血栓による左不全麻痺が発症し, 以後2回の脳血栓再発作と頻回のTIAを繰り返していた.抗凝固剤投与中, 昭和56年3月31日右尾状核頭出血発症.頭部CTscan.で側脳室及び第3脳室への穿破が確認された.検査成績は, 血清Na122rnEq/l, 尿Na5.2g/日, 血清及び尿浸透圧262mOsm/l, 440mOsm/l, 血液pH7.48, PRA5.Ong/ml/hr, 血中ADH 1.5Pg/ml.高張食塩水500ml/日投与したが低Na血症は改善されなかった.PRAの上昇は降圧利尿剤の使用によるもので, SchwartzらのSIADHの診断基準に矛盾する点はなかった.血中ADHは低Na血症の改善開始時に採血され, 正常範囲であったが, 本症例は尾状核頭出血によりSIADHが併発されたものと考えられた.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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