脳卒中
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脳幹部動静脈奇形破裂による限局性中脳出血の1例
川畑 信也山口 武典宮下 孟士里見 真美子
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1985 年 7 巻 2 号 p. 167-173

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抄録

中脳に限局した出血にて発症し, 脳血管撮影により脳幹部動静脈奇形の存在が明らかになった症例を経験した.
症例は46歳, 男性.突然の後頭部重圧感にて発症し, 神経学的に傾眠傾向, 左滑車神経麻痺, 右Horner徴候, 左上下肢不全麻痺, 左側表在感覚低下を認めた.CTで中脳右側tectumからtegmentumにかけての限局した高吸収域を認め, 橋や視床への波及はなかった.椎骨動脈撮影の動脈相早期に右側上小脳動脈のquadrigeminal segment外側に, nidusと思われる異常血管陰影および導出静脈を認めた.明らかな流入動脈は確認できなかったが, 本例の限局性中脳出血は, 脳幹部動静脈奇形破裂によるものと考えられた.
中脳に限局した脳出血例は, 原因の如何にかかわらず非常に稀とされており, 原因としては脳幹部動静脈奇形破裂によるものが最も多い.中脳出血の頻度, 特徴などについて文献的考察を加え報告した.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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