脳卒中
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局所脳循環の炭酸ガス反応性に関する実験的研究
神経性因子との相関を中心として
内藤 宏紀
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1985 年 7 巻 2 号 p. 93-104

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抄録

水素clearance法を用いて大脳皮質, 視床および中脳のrCBFを測定した.対照群, phenoxybenzamine, atropineおよび6-hydroxydopamine投与群のPaCO2-rCBF曲線と, ΔCereborospinal fluid pressure/ΔPaCO2の値から以下のような結果を得た. (1) 視床および中脳循環のPaCO2-rCBF曲線は下に凸の曲線を描き, CO2の脳血管拡張作用に強い抑制を示すが, 上記薬物のいずれかを単独で投与するとこの抑制は消失した. (2) 皮質循環のPaCO2-rCBF曲線はほぼ直線的で, 上記抑制を示さず上記薬物のどの単独投与によっても殆ど影響を受けなかった. (3) PaCO2が65mmHg以下ではΔCSF-P/ΔPaCO2が脳全体の血管床にCO2による体積増加率を表現すると考えた. (4) 対照群に比べてΔCSF-P/ΔPaCO2はPOB投与群が明らかに小さく, atropine投与群のそれは大きかったが, 6-OHDA投与群では有意の差が見られなかった.以上の結果から, 脳深部の局所循環では神経性因子がCO2の反応性にさからって脳血管の緊張性を保つように働いているが, 大脳皮質の局所循環ではその様な神経性因子によるcontrolが少ないものと考察された.

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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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