脳卒中
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閉塞性脳血管障害
毛細血管内皮細胞の超微形態変化について
柴田 尚武
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1986 年 8 巻 2 号 p. 144-149

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抄録
急性期脳梗塞モデル犬を用いて, 永久閉塞群と再開通群の毛細血管の超微形態の変化を超薄切片法に加えて凍結割断レプリカ法を用いて観察した.梗塞巣皮質毛細血管膜面のpinocytotic vesicleの数の増加や面積の増大, 膜内粒子の増加がみられた.一方, tight junctionは5~6条のstrandからなり, strandを構成する膜内粒子が不連続な配列を示していたが, 明らかな開放はみられなかった.梗塞巣周辺部で壊死に落ち入らず機能を保持している毛細血管内皮細胞においては, 細胞膜が動的に変形しながら高分子物質を細胞の外から内へ, あるいは内から外へ輸送する膜動輸送の亢進が起こるが, tight junctionの開放は起こり得ないと考えられた.
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© 一般社団法人 日本脳卒中学会
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