福岡県久山町の一般住民1,110名 (40-69歳, 男489名, 女621名) を対象として食品・嗜好物摂取頻度の脳卒中発症におよぼす影響を15年間の追跡結果で検討した.この間の初回脳卒中発症者は111名で, 生存34名, 死亡77名うち剖検73例 (94.8%), 病型別では脳血栓症72, 脳塞栓症1, 脳出血23, くも膜下出血12, 判別困難例3であった.米・麦, 牛乳, 肉類, 魚介類, 緑黄色野菜, 味噌汁, 漬物類, 酒類, 煙草の摂取頻度, body mass index (BMI), 収縮期血圧, 拡張期血圧, 血清総コレステロール, 血清蛋白の各変量を, Coxの比例ハザード・モデルを使用して解析した所, 収縮期血圧の上昇の次に壮年男子では肉類摂取頻度, 高年男子では魚介類摂取頻度の少ない事が有意 (p<0.05) の脳卒中発症危険因子として選択された.さらに, 脳卒中の病型中最も頻度の高い脳血栓症に限定した検討でも, 高年男子では, 同様に魚介類摂取頻度の少ない事が有意の脳血栓症の発症危険因子として選択された.
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