ウイルス
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平成29年杉浦賞論文
C型肝炎ウイルスの感染指向性に関する研究
福原 崇介
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 68 巻 1 号 p. 63-70

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抄録

 C型肝炎ウイルス(HCV)は狭い宿主域と高い臓器親和性を示す.一方,HCV感染は肝障害のみならず,種々の肝外病変を発症することが知られており,HCVの組織指向性を決定する機構に関しても不明な点が多い.これまでに我々は,HCVゲノムの複製を亢進する肝臓特異的なmicroRNAであるmiR-122がHCVの効率的な複製に重要であること,HCVの感染性粒子形成に肝臓に高発現するアポリポ蛋白質が関与することから,これらの因子がHCV感染の肝臓指向性の決定因子であることを明らかにした.さらに,非肝臓組織でも僅かにHCVが増殖していることが知られていたが,非肝臓細胞では肝細胞とは異なる宿主因子を用いて,ウイルスの増殖を可能にしていることが明らかになった.これらの結果からHCVが個体内の様々な組織で巧みに宿主因子を利用するように進化したことが予想される.

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© 2018 日本ウイルス学会
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