20例のウサギの肺を使用した。ウサギの肺の気管支分岐を比較解剖学的に検討すると,右肺は,前葉,中葉,後葉および副葉からなり,左肺は2葉に分かれた中葉と後葉からなる。右肺動脈は右前葉気管枝の腹方を通り,右中葉気管枝の背方を越えて右気管支の背外側に沿って後方に伸びる。その経過中,主として気管枝の背側あるいは外側に沿って走る肺動脈枝を分枝する。左肺動脈は左中葉気管枝の背方を越えて右肺の場合と同様に分布する。肺静脈枝は主として気管枝と気管枝の間で,しかも気管枝の内側または腹側を走り,最終的に太い4本の肺静脈を形成して右心房に注ぐ。