抄録
今回われわれは異なる血行再建を行った2例の感染性腹部大動脈瘤を経験した. 1例は肺炎球菌による感染性腹部大動脈瘤の症例で, 解剖学的血行再建を行った. また, 1例はサルモネラ菌による腸腰筋膿瘍, 椎体炎を合併する感染性腹部大動脈瘤の症例で, 非解剖学的血行再建を行った. 2例とも感染の再燃なく軽快退院した. 感染性腹部大動脈瘤の頻度は全腹部大動脈瘤の1~3%といわれている. 死亡率は高く, 救命のためには可及的早期の診断と外科的治療が望ましいとされている. 術式としては瘤壁の切除と解剖学的血行再建, 移植した人工血管を大網で被覆することが望ましいとされているが, 椎体炎や膿瘍合併例など症例の状態によっては非解剖学的血行再建も選択肢として考慮すべきと考えられる.