日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
特別寄稿
血管外科医の未来
倉田 悟
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 16 巻 1 号 p. 7-11

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抄録

血管外科医が今置かれている状況と,これから歩んで行く道を考えながら,血管外科医のあり方を三期に分類し,血管外科医の進むべき方向性について著者の私見を述べた.第一期は血管外科医の今置かれている状況,第二期は心臓血管外科専門医制度から血管外科が分離独立すること,第三期は血管専門医制度を新たに構築することである.現段階では,血管外科が心臓血管外科学会から血管外科専門医制度を立ち上げ,独立性を主張する域には未だ達していないと思われる.血管外科上級医はこの現況を直視し,血管外科医が社会に対する責任を果たすために血管外科専門医制度を自ら立ち上げていかなければならない.現在,心臓外科医,血管外科医,放射線科医,循環器内科医,あるいは脳外科医など,いろいろの科が独自の基準で行っている血管内治療を密接な共同作業を通じて統合し,新たな血管専門医制度の構築に向け血管外科医が中心となり知恵を出し合わなければならない.そして,高齢者社会を反映し急増する血管病に対して長い治療経験をもつ血管外科医が大いに活躍できる時代になって欲しいものである.

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