日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
興味あるcontained rupture を呈した腹部大動脈瘤の 1 手術例
渡辺 正明若松 大樹猪狩 次雄
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 16 巻 3 号 p. 579-582

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抄録
症例は66歳,男性.高血圧の精査目的に入院し,CTおよびMRI検査からchronic contained ruptureを呈した腹部大動脈瘤と診断された.本症例は無症状のため破裂時期が不明瞭だが,手術時右腎動脈分枝遠位側で下大静脈との間に 1 カ所,腹部大動脈から分枝後の左総腸骨動脈後側に 1 カ所,計 2 カ所でほぼ円形の破裂孔を確認した.調べ得た限りchronic contained rupture症例で 2 カ所の破裂孔を有し,かつ腎動脈下右側に破裂した報告例はない.破裂孔以外にも動脈瘤内面に淡い潰瘍を呈する部分があり,penetrating atherosclerotic ulcerの穿通による仮性動脈瘤の可能性も否定できなかった.
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