日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
腹部大動脈瘤術後の人工血管周囲漿液腫による十二指腸閉塞の 1 例
橋詰 賢一鈴木 暁朝見 淳規秋好 沢林
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 16 巻 4 号 p. 629-632

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抄録
腹部大動脈瘤術後の消化器合併症として腸閉塞は一般的であるが, 小腸とくに十二指腸閉塞による腸閉塞は稀である. 今回われわれは, 破裂性腹部大動脈瘤術後, 人工血管周囲の漿液腫による十二指腸第 3 部閉塞による腸閉塞の 1 例を経験したので文献的考察を加え報告する. 症例は77歳, 男性. 破裂性腹部大動脈瘤に対し人工血管置換術を施行した. 術後, 経口摂取開始後から頻回の嘔吐を認めたため腸閉塞を疑いCT検査を施行し人工血管周囲の漿液腫による十二指腸第 3 部閉塞と診断した. イレウスチューブによる十二指腸減圧と中心静脈栄養による保存的療法にて術後45病日に軽快退院した.
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