日本血管外科学会雑誌
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症例
鈍的外傷により生じ,皮下へ突出した内胸動脈仮性瘤の 1 例
関 啓二山本 文雄千田 佳史石橋 和幸
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キーワード: 仮性瘤, 内胸動脈, 鈍的外傷
ジャーナル オープンアクセス

2009 年 18 巻 3 号 p. 447-451

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抄録

【背景】鈍的外傷による内胸動脈仮性瘤は極めてまれである.【症例】今回われわれは,転落外傷により生じ,皮下へ突出した内胸動脈仮性瘤の 1 例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.【結果】症例は76歳男性.梯子から転落して受傷し,その翌日全身苦痛を訴えて近医を受診した.右血気胸,骨盤骨折,左橈骨骨折の診断にて同医に入院となった.入院時より右前胸部の腫脹が認められており,入院から 2 週間後に切開を試みられた.動脈性の出血が認められたものの,出血源が同定できないため,圧迫処置で終了した.さらにその 2 週後,カテーテル血管造影にて右内胸動脈仮性瘤と診断され,当院へ紹介転院となった.転院当日ただちに結紮術を行い,手術後22病日に退院した.【結論】鈍的外傷により生じ,皮下へ突出した内胸動脈仮性瘤という稀有な症例を経験したので報告した.

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