日本血管外科学会雑誌
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Print ISSN : 0918-6778
症例
下肢急性動脈閉塞で発見された腹部大動脈瘤の 1 例
原田 宏輝正木 久男柚木 靖久田淵 篤前田 愛種本 和雄
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2009 年 18 巻 3 号 p. 453-456

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抄録
【背景】腹部大動脈瘤の壁在血栓が原因と考えられる下肢急性動脈閉塞をきたした比較的稀な 1 例を経験した.【症例】77歳男性で,両下肢痛を主訴に来院.来院時両下肢とも斑紋状のチアノーゼを認め,右下肢では,足背,後脛骨動脈は触知不能,左下肢は,左膝窩動脈以下末梢の動脈は触知不能であった.その30分後に両下肢の動脈はすべて触知可能となった.ヘパリン,ウロキナーゼを開始,来院時血液生化学検査では異常はなかったが,翌日にはCPK,ミオグロビンともに高値となり,その後改善してきた.CTにて非常に不整な壁在血栓がある腹部大動脈瘤,両側総腸骨動脈瘤を認め,それが塞栓症の原因と考えられた.【結果】手術は,瘤切除,人工血管置換を行い,合併症もなく,術後 2 週目に退院した.【結論】大動脈瘤内壁在血栓により両下肢の急性動脈閉塞を起こすことは稀ではあるが,原因の一つとして念頭におくべきであると考える.
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