2009 年 18 巻 4 号 p. 499-502
症例は54歳女性.37歳より強皮症の診断にてステロイド内服中であった.腹痛のためCTを施行したところ,腹部大動脈瘤と上腸間膜動脈瘤を指摘された.腹部大動脈瘤に一致する腹痛あり,症候性腹部大動脈瘤と診断し手術を行った.腹部大動脈瘤は椎体骨の破壊を伴うcontained ruptureであり,Y型人工血管置換術を施行した.次いで,上腸間膜動脈瘤の動脈瘤切除を行った.病理組織検査では血管壁は線維性結合組織で置換されており,成因はステロイド長期投与によるものと考えられた.