抄録
遺残坐骨動脈は稀な先天異常で,瘤化,閉塞などを起こしやすい.今回,閉塞を伴った動脈瘤例に対し瘤切除+非解剖学的バイパスを施行した.症例は66歳女性,左殿部痛と間歇性跛行で来院した.ABIは0.7と低下,左殿部に拍動性腫瘤を触知し,CTおよびMRアンギオで左の遺残坐骨動脈瘤とその末梢の閉塞を認めた.手術は右半側臥位で,まず左側後腹膜経路で発達した内腸骨動脈から分枝する遺残坐骨動脈を骨盤内深部で結紮し,同時に左殿部にMooreの切開を置き瘤切除した.血行再建は,同一体位から大腿後面で膝窩動脈に連なる坐骨動脈を露出,左内腸骨動脈から閉鎖孔経由の最短経路で8 mmリング付ePTFEを用いてバイパスを行った.グラフトは良好に開存し,現在術後1年になるが症状は完全に消失している.