日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
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症例
B型急性大動脈解離破裂に対するL-incision法弓部全置換術の2救命例
深田 睦小西 敏雄古川 浩
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2010 年 19 巻 6 号 p. 671-677

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抄録
Stanford B型急性大動脈解離の早期病院死亡率は8.8~15%と依然高く,原因として破裂があげられ,その救命率は50%以下とされる.今回2例のB型急性大動脈解離破裂をTominagaらのL-incision法により救命し得えたので報告する.症例1は60歳男性,発症3日目に再CT検査で破裂と診断,L-incision法下に超低体温循環停止と選択的順行性脳灌流併用し弓部置換を施行,術後左下肢不全麻痺合併も改善独歩退院した.症例2は43歳男性,背部痛発症しCT検査で破裂と診断,検査中準ショック状態となり胸骨上部左側部分切開で上行大動脈送血の体外循環確立後左前側方開胸を加え,同様に弓部置換を施行,術後合併症なく退院した.L-incision法は胸骨正中切開と左開胸の利点を持ち,迅速な順行性体外循環確立と脳や心臓の各種合併症予防策選択が可能であり,B型急性大動脈解離破裂の救命率向上に寄与すると考えられる.
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