日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
大動脈弁閉鎖不全,右冠動脈入口部狭窄を伴った心外型バルサルバ洞動脈瘤に大動脈基部再建と冠動脈バイパス術を施行した1例
大沢 肇藤松 利浩鈴木 博之
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2010 年 19 巻 6 号 p. 683-687

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抄録
心外型バルサルバ洞動脈瘤に冠動脈狭窄と大動脈弁閉鎖不全を伴った1例を経験した.症例は73歳,女性.労作時の息切れを訴え,大動脈造影にて右冠動脈洞の心外型バルサルバ洞動脈瘤とSellers III度の大動脈弁閉鎖不全,動脈瘤拡大による右冠動脈入口部の高度狭窄を認め手術適応となった.手術は,Freestyle弁(Medtronic, Inc, Minneapolis, MN)を使用したfull root法で大動脈基部再建と,大伏在静脈を使用した右冠動脈への冠動脈バイパス術を行った.瘤壁の組織所見は大動脈壁の内膜肥厚と中膜壊死を認めた.本症は右冠洞に発症したバルサルバ洞動脈瘤で,microfibrillar diseaseとの関連が示唆された.
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