日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
腹部大動脈瘤空置術後著明な拡大を来した1例
渡邊 晃佑菅野 惠緑川 博文高野 隆志
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 19 巻 7 号 p. 773-776

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抄録
症例は66歳男性,ステントグラフト留置術(EVAR)後のdistal type I endoleakに対し開腹瘤空置術施行5年後に腰動脈による空置瘤の著明な拡大を認めたため手術施行となった.手術は腹部正中切開で行い,露出した瘤を切開し,一対の腰動脈を閉鎖した.術後10日目のCTでは瘤内腔に造影効果を認めず,術後14日目術後経過良好にて退院となった.本症例では腰動脈流入による瘤拡大を認め,EVARの合併症であるtype II endoleakによる瘤拡大の可能性を考えるうえにおいて示唆に富む症例であった.
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