日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
動静脈瘻合併による心不全を呈した右総腸骨動脈瘤の1例
山下 慶悟多林 伸起吉川 義朗阿部 毅寿廣瀬 友亮谷ロ 繁樹
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2012 年 21 巻 6 号 p. 725-728

詳細
抄録

要  旨:右総腸骨動脈瘤が左総腸骨静脈へ穿破し,動静脈瘻を形成し心不全を呈した症例を経験したので報告する.症例は86歳,男性.左下肢腫脹を主訴に近医受診した.右総腸骨動脈瘤を指摘され当科へ紹介となった.CTで動静脈瘻を合併した右総腸骨動脈瘤(6.6 cm),左内腸骨動脈瘤(6 cm)が認められ手術予定であった.その後,両下肢腫脹と呼吸困難を認め,心不全と診断され,同日緊急入院した.心不全症状の改善を待って,手術を施行した.右総腸骨動脈瘤後壁に存在した3 cm × 1 cmの瘻孔を瘤内腔から直接縫合閉鎖し,腹部大動脈以下はY字人工血管にて置換した.われわれが検索しえた腸骨動静脈瘻の自験例を含めた本邦での29例の報告を検討したので報告する.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top