2013 年 22 巻 4 号 p. 751-754
要 旨:感染性腸骨動脈瘤のchronic contained ruptureに化膿性脊椎炎を合併した稀な症例を経験したので報告する.症例は68歳,男性.繰り返す発熱と,腰痛,安静時の両下肢の疼痛を主訴に入院となった.造影CT・MRI検査で両側腸骨動脈瘤と,L4/5,L5/S1椎間板,L4,5椎体の破壊像を認めた.血管造影検査にて分葉状の動脈瘤を認めた.感染性腸骨動脈瘤と化膿性脊椎炎と診断した.手術は,まずaxillo-bifemoral bypassをおき,続いて開腹した.右腸骨動脈瘤の後壁は欠損しており,その背側に器質化血栓を認めた.動脈瘤の中枢と末梢で断端閉鎖を行った.また腰椎椎間板は可及的に掻爬した.培養検査にて血栓よりpseudomonus aeruginosaが検出された.