日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
化膿性脊椎炎を伴った感染性腸骨動脈瘤chronic contained ruptureの1例
石川 巧村上 忠弘阪口 正則
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 22 巻 4 号 p. 751-754

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抄録

要  旨:感染性腸骨動脈瘤のchronic contained ruptureに化膿性脊椎炎を合併した稀な症例を経験したので報告する.症例は68歳,男性.繰り返す発熱と,腰痛,安静時の両下肢の疼痛を主訴に入院となった.造影CT・MRI検査で両側腸骨動脈瘤と,L4/5,L5/S1椎間板,L4,5椎体の破壊像を認めた.血管造影検査にて分葉状の動脈瘤を認めた.感染性腸骨動脈瘤と化膿性脊椎炎と診断した.手術は,まずaxillo-bifemoral bypassをおき,続いて開腹した.右腸骨動脈瘤の後壁は欠損しており,その背側に器質化血栓を認めた.動脈瘤の中枢と末梢で断端閉鎖を行った.また腰椎椎間板は可及的に掻爬した.培養検査にて血栓よりpseudomonus aeruginosaが検出された.

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