日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
TEVAR 術後2 年でステントグラフト感染を発症し瘤拡大をきたした下行大動脈囊状瘤の1例
大内 真吾大山 翔吾熊谷 和也満永 義乃田中 良一播間 崇記
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2015 年 24 巻 4 号 p. 763-766

詳細
抄録
要旨:症例は78 歳,男性.狭心症で近医通院中.冠動脈の精査のために行ったCT 検査で偶然に下行大動脈の囊状瘤を指摘され,当院でステントグラフト内挿術(TEVAR)を行った.手術から2 年後,38度の発熱を認め,近医を受診.WBC,CRP の上昇を認め,抗生剤の処方を受け当院に紹介された.CT 検査で以前に比べ,ステントグラフト外側の大動脈壁が肥厚,拡大し,造影効果が認められた.TEVAR 術後の大動脈壁の感染,あるいは再燃を疑い手術を施行した.手術は,ステントグラフトを除去,同部位の大動脈壁を摘出し,人工血管置換術を行った.術後11 病日独歩退院し,術後半年の現在も感染の再燃を認めていない.囊状動脈瘤にステントグラフトを留置する際,注意深い経過観察が必要であると思われた.
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top