日本血管外科学会雑誌
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Print ISSN : 0918-6778
症例
感染性心内膜炎治療1年後に発症した感染性仮性上腕動脈瘤の1例
大城 規和 野口 権一郎
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 27 巻 4 号 p. 319-322

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抄録

仮性上腕動脈瘤は外傷,医原性,感染を原因として報告されている.今回,感染性心内膜炎(Infective Endocarditis: IE)治癒後に発症した感染性仮性上腕動脈瘤を経験したので報告する.症例は77歳男性,1年前にStreptococcus agalactiaeGroup B)を起炎菌としたIE罹患後,多発脳梗塞および左中大脳動脈瘤破裂を併発した.脳動脈瘤切除およびクリッピング術後3カ月抗生剤治療を行い,血液培養陰性,CRPと白血球の正常化を確認し退院となった.1カ月前から右上腕肘部が急速に腫脹し受診,CTで上腕動脈瘤と診断した.急速拡大する動脈瘤は破裂や塞栓源となりうるため手術を施行した.動脈瘤を切除し自家静脈による血行再建を行った.病理組織学所見と抗生剤治療の既往からIE治癒後に続発した感染性仮性上腕動脈瘤と診断した.

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