日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
EVAR後のType 1aエンドリークに対して,開窓したアオルタ・エクステンションを用いた追加EVARで治療した一例
前田 和樹 高橋 信也岡田 健志三井 法真片山 桂次郎末田 泰二郎
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2018 年 27 巻 4 号 p. 309-312

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抄録

腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療(EVAR)の遠隔期の問題点として,エンドリーク(EL)による瘤拡大がある.われわれは,Type 1a ELの発生と瘤拡大を来したため血管内治療を行った1例を経験した.症例は88歳男性.腎動脈下腹部大動脈瘤に対してEVARを施行された2年半後に,大動脈瘤径の拡大を認めた.CTおよび血管造影にてType 1aおよびType 2 ELを診断した.Type 1a ELに関して,中枢側ランディングゾーンが腎動脈下に十分にとれないが,右腎動脈分岐部が15 mm左よりも中枢側であることから,アオルタ・エクステンションに左腎動脈に合わせた開窓を行って留置した.術後Type 1a ELは消失した.本法は,EVAR術後のType 1aに対する治療法のオプションとなり得ると考えられた.

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