2019 年 28 巻 3 号 p. 193-198
【目的】透析患者の中心静脈病変に対するBMS留置術の治療成績・開存率を検討した.【方法】透析患者の中心静脈病変(狭窄5例・閉塞24例)に対してBMSを留置した29例を対象とした.これらの手術成績・開存率・Target-lesion-revascularization(TLR)回避率を検討した.【結果】腕頭静脈病変(閉塞/狭窄)が8例/1例,鎖骨下静脈病変(閉塞/狭窄)が16例/4例であった.手技成功率は29/31例(94%)で,成功例は全例症状が改善した.留置後の1年一次開存率は40%,補助一次開存率は75%で,1年TLR回避率は69%であった.【結論】透析患者の中心静脈病変に対するBMS留置の治療成績・開存率は良好で,有効な選択肢の一つと考えられる.しかしoff-labelの使用であり,また重篤な合併症を生じる可能性もあるため,適応を選び合併症の予防と対策を熟知して施行すべきである.