日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
腹部大動脈人工血管置換術後の難治性Perigraft Seromaに対してステントグラフト治療を用いた一例
岡田 拓 安藤 敬秋山 大地竹田 誠小池 祐哉松井 青史
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2019 年 28 巻 4 号 p. 259-261

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抄録

Perigraft seroma(PGS)は人工血管を用いた手術の比較的稀な合併症である.腹部大動脈瘤に対して2度の人工血管置換術施行後,合併した難治性PGSに対してステントグラフト内挿術(EVAR)を施行し良好な結果を得られたので報告する.症例は78歳男性.腹部大動脈瘤に対してexpanded polytetrafluoroethylene(ePTFE)グラフトによる人工血管置換術を施行した.術後PGSが増大しイレウス症状も呈するようになったため2年後にpolyester knittedグラフトによる再人工血管置換術を施行した.しかし,PGSがさらに再発したためExcluderを用いてEVARを施行し,その後はPGSの再燃は認めなかった.2度の腹部大動脈人工血管置換術後に合併した難治性PGSに対してEVARによる治療は有効であった.

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