日本血管外科学会雑誌
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Print ISSN : 0918-6778
症例
鈍的外傷による急性動脈閉塞に対する治療経験
河本 達也 高橋 宏明後竹 康子魚谷 健祐杉本 貴樹
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2020 年 29 巻 4 号 p. 245-248

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抄録

今回,異なる受傷起点による鈍的損傷による急性解離性動脈閉塞の5例を経験したので報告する.症例1は36歳男性,ショベルカーの先端部分が下腹部へ直撃し,左総大腿動脈の閉塞を認めた.症例2は49歳男性,レジャーボートより転落し右鼠径部を挫創,右浅大腿動脈の閉塞を認めた.症例3は71歳男性,漁業作業中に網が左足に巻き付いて海に転落し受傷,左膝窩動脈の閉塞を認めた.症例4は79歳男性,右手をついて転倒し右上腕骨脱臼骨折と上腕動脈閉塞を認めた.上記4例に対しては,閉塞部位の中枢,末梢健常動脈間の静脈グラフトによるバイパス術3例,閉塞部位の切除・静脈グラフトによる置換術1例を行った.症例5は78歳男性,漁船作業中に約50 kgの碇が右鼠径部に直撃して受傷,右外腸骨動脈から大腿動脈の閉塞を認めた.本例には同側大腿動脈の真腔よりBare Metal Stentを挿入し,外腸骨動脈中枢のentry閉鎖を行い,真腔の拡大を得た.全例で良好な血流の改善が得られ,救肢し得た.

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