日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
足背動脈瘤の1例
内田 智夫
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 30 巻 1 号 p. 49-52

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抄録

まれな足背動脈瘤の1例を診療したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は68歳男性.右足背部の腫瘤が徐々に増大し,軽度の疼痛もあるため当科を受診した.打撲や注射処置などの明らかな誘因はなかった.超音波検査で15×15×20 mm大の内腔は一部血栓が付着した足背動脈瘤と診断し局所麻酔下に切除術を行った.直接穿刺による動脈造影を行ったが他部位の動脈に異常はなく,瘤切断後,末梢側から良好なバックフローを認めたため血行再建の必要はないと判断し瘤切除のみ施行した.病理所見は三層の膜を有する真性動脈瘤で内腔に二次的血栓を認めた.術後経過に虚血症状など特段の支障は生じなかった.

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