2022 年 31 巻 5 号 p. 299-302
大腿膝窩動脈(femoropopliteal: FP)領域における末梢動脈疾患に対する血行再建術の主体は,外科的手術(open surgery: OS)から血管内治療(endovascular treatment: EVT)になりつつある.しかしFP領域においても,総大腿動脈を含む病変や,高度石灰化を伴う病変,長区域の複雑病変などは,EVTの長期成績は未だ満足のいくものではなく,より安定した長期成績が期待できるOSの臨床的な有用性は揺るぎないものである.EVTとOSのガイドラインや最新のデータを常に把握しながら,個々の患者の解剖学的特徴と手術リスクを勘案し,適切にOSを選択していくことが重要である.