日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
巨大右鎖骨下瘤に対して胸骨部分切開にてアプローチした1例
藤井 大志 辻口 友貴町田 海坂本 大輔永吉 靖弘高野 環
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 31 巻 5 号 p. 333-336

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抄録

鎖骨下動脈瘤は末梢動脈瘤の中でも稀な疾患である.治療に関しては,その原因や発生部位によって,アプローチや治療方法が異なってくる.今回われわれは,胸郭内右鎖骨下動脈瘤に対して胸骨上方部分切開にて,良好な視野が得られ手術施行できたので報告する.症例は73歳男性.当科外来で術後経過観察中,以前から認めていた右鎖骨下動脈瘤が1年で20 mmの増大あり,手術目的に入院となった.胸骨第二肋間で逆L字切開し,皮膚切開線を鎖骨上窩まで延長した.腕頭動脈と右鎖骨下動脈末梢側をePTFEグラフトでバイパスし,瘤は空置した.術後造影CTで,瘤内への血流認めず,バイパスの血流も良好であった.胸郭内右鎖骨下動脈瘤に対して胸骨上方部分切開によるアプローチは,良好な視野が得られ,低侵襲であるため有用な治療手段の1つであると考える.

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