2023 年 32 巻 1 号 p. 25-29
症例は70歳女性.他院にて腹部大動脈瘤を指摘され,当院紹介受診された.慢性腎不全に対し維持透析中であり,大動脈の石灰化も強く,開腹手術後でもあることからステントグラフト留置術を行う方針となった.大動脈の形状は大きな屈曲もないことからExcluderを使用することとした.メインボディ中枢側を展開後,対側ゲートをカニュレーションし,対側レッグを留置の後,constraining systemの除去を試みたが,中枢が拘束されてしまい困難であった.ワイヤーを交換し,バルーンで中枢側を固定しつつ用手的にconstraining systemを除去し,システム全体を抜去した.抜去したデバイスにはconstraining systemのロックピンが屈曲しており,ワイヤーがロックピンとconstraining loopのアンカー部に入り込んでしまったことが考えられた.