2023 年 32 巻 4 号 p. 317-320
症例は78歳男性.2011年に右尿管狭窄による腎後性腎不全をきたし,尿管ステントを留置された.以降,尿管ステント抜去後の尿管再狭窄を繰り返したため,2015年まで長期間留置されていた.その間腎機能は徐々に悪化し,2015年に血液透析導入となった.透析導入に伴い,尿管ステントを抜去したところ,血尿と貧血の進行を認めた.膀胱鏡にて膀胱内の凝血塊を認めた.造影CT検査では右尿管への明らかな造影剤の流入所見は認めなかったが,臨床的に右腸骨動脈尿管瘻と診断し,外科治療の適応と判断した.後腹膜アプローチにて右外腸骨動脈と尿管の交叉部を剝離したところ,右外腸骨動脈に径1 mmの瘻孔を認め,これを直接閉鎖した.腸骨動脈尿管瘻は稀ではあるが,時に致死的であるため,本疾患が疑われた場合には,適切な手術により良好な結果が得られると考えられた.