【目的】腸骨動脈瘤に対する当科の自家製分枝型ステントグラフトによる血管内治療(EVAR)の早期の臨床成績を評価した.【方法】2019年10月から2023年4月までEVARを施行した腸骨動脈瘤の8例が対象で,AFX(Endologix Incorporated, Irvine, CA, USA)に分枝との連結を強固にするためハイドロゲルで補強した開窓部を設けた自家製分枝型ステントグラフト(IBFX)を使用し,術後の臨床経過やCTの結果を検討した.【結果】7例に分枝を再建,3例で下殿動脈をコイル閉塞した.1例で腸腰動脈からのtype 2 endoleakを認めたが,全例で瘤径が縮小し,殿筋跛行などの合併症は認めなかった.【結論】当科におけるIBFXによる腸骨動脈瘤に対するEVARは,手技が妥当な時間内で,瘤径を縮小させ,殿筋歩行を防ぐ点で企業性デバイス同様良好な成績を収め,費用対効果も高い点が優れている.
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