日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
ステントグラフト治療での鼠径部切開から広範囲組織壊死を来し植皮を要した一例
木原 一樹 近藤 庸夫島田 ゆうじ大上 賢祐
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 32 巻 6 号 p. 433-436

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抄録

88歳男性,偶然発見された胸部大動脈瘤に対して胸部大動脈瘤ステントグラフト内装術を施行した.大腿動脈および外腸骨動脈アプローチを試みたが挿入ができず,開腹での経大動脈アプローチにて完遂した.術後鼠径部に急性リンパ管炎およびリンパ浮腫を発症し,広範囲の皮膚および皮下組織壊死を来し,デブリードマンおよび植皮術が必要となった.大腿動脈および外腸骨動脈の二カ所切開が急激なリンパ浮腫の原因と考察した.このまれな合併症について考察を加えながら報告する.

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