2024 年 33 巻 2 号 p. 101-105
腹部大動脈瘤(abdominal aortic aneurysm; AAA)に対する企業性ステントグラフト内挿術(endovascular aneurysm repair; EVAR)の適応は著しく拡大してきた.本邦における最近の動向としては,大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドラインの2020年改訂版が出版され,さらに日本ステントグラフト実施基準管理委員会(Japanese Committee for Stentgraft Management; JACSM)のビッグデータを用いた解析により,本邦におけるEVARの成績も相次いで報告されつつある.本邦でも良好な短期成績が報告される一方で,欧米における長期成績の結果は,EVAR術後の遠隔期における問題点を露呈するものであった.技術やデバイスの進化により,EVARの長期成績は今後改善することが期待され,その適応はさらに拡大すると見込まれるが,個々の患者の解剖学的特徴や手術リスクを勘案し,適切な症例には外科手術を選択する必要がある.