2018 年 41 巻 6 号 p. 205-212
メタン発酵システムの高効率化を目的として, サイフォン式の無動力撹拌機構を有するメタン発酵槽に担体を部分的に設置し, 運転性能を実験的に確認した。模擬生ごみのTS濃度を約5%に希釈した基質を対象に, 中温の条件下でHRTを50日から10日に段階的に短縮することでCODCr容積負荷を段階的に増加して処理性能を評価した。その結果, CODCr容積負荷9.56 kg m-3 d-1まで安定運転が実現し, 本リアクターの処理性能が示された。また, CSTRおよび改良前の同リアクターの既往の試験結果との有機物除去率およびメタン転換率を比較したところ, 処理性能の改善が確認された。