抄録
嫌気条件下では分解が困難なビフェニルについて,好気性分解と嫌気性分解の組合せによるメタン生成を検討した。すなわち,ビフェニル資化性PseudomonasPutidaのビフェニル代謝遣伝子bphABCDを導入して形質転換したEscherichiacoliで,ビフェニルを好気的に分解した。その後,安息香酸で馴養したメタン発酵汚泥を用いて,ビフェニル(1)ならびに分解代謝物であるジヒドロキシビフェニル(2),メタ開裂物質(3),安息香酸(4)の嫌気性分解とメタン生成を調べた。
この結果,(1)と(2)は嫌気的に全く分解されたかったのに対して,(3)からは収率約78%,また(4)からは収率約96%のメタンが生成した。ビフェニルは組換え細菌によって好気的に安息香酸にまで分解した後に,嫌気性分解することによって最も効率よくメタンに変換されることが明らかになった。