不法投棄等で不適正に処分された廃棄物の修復再生事業では掘削除去作業が必要となる。しかし、高濃度の有害ガスが発生している事例や可燃性ガスによる爆発のおそれがある事例などが認められており、これらのガスによる危険性や環境影響を事前に処理する技術の確立が望まれている。我々は、このような問題解決のため、不飽和帯にパルス状の高圧空気を強制的に間欠注入する好気分解促進と真空吸引によって原位置で有害ガスを分解除去する工法の研究開発を行っている。ここでは、実際の不法投棄現場で採取した廃棄物を用いたカラム通気試験によって、地盤中に滞留している有害ガス、分解生成ガス等が除去されること、好気分解の促進によって通気終了後のリバウンド(嫌気分解)によるメタンガス生成等が抑制されることが示唆されたこと、好気分解の促進によって浸出液の環境負荷も低減されることが示唆されたことを報告する。