抄録
要旨:好酸球性膿疱性毛包炎(eosinophilic pustular folliculitis; EPF)は,Th2細胞の高IL-5発現を伴う疾患であり,Th1変調を導く治療が有効である.我々は北九州産業医大医療圏において,多発Bowen病患者が八幡東区,八幡西区,若松区に多く,戸畑区,小倉北区,小倉南区で比較的少ないことを報告し,同症が鉄鋼業や石炭関連産業を背景とするTh1変調地区に多いことを示してきた.同様に,EPFの地域発症率を調べたところ,逆に戸畑区で高く,八幡東区で低いことを見出した.これはEPFが衛生仮説の代表的疾患であることを示唆している.