Journal of UOEH
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仮想病棟を用いた病室の天井画像教材の開発
辻 慶子岩田 直美児玉 裕美萩原 智子鷹居 樹八子松本 真希
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2017 年 39 巻 1 号 p. 63-68

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抄録

看護の学習を始めたばかりの学生にとって,医療現場を想定できず,看護を実践的に捉えることは難しい.ICT(information and communication technology)を用いた教材により,医療を行う場を仮想的に経験させ,理解力と思考力を育成することで,看護実践力の向上が期待される.著者らは,「仮想病棟」を用いた療養環境に関する教材開発に取り組んできた.先行研究において,臨床実習をまだ経験していない看護学生に仮想病棟の教材が有用であることを報告した.今回の研究は,患者にとって病室の天井デザインがもつ意味を学生に考えさせることを目的に,数種類の写真画像(題材)を天井画像として用いた仮想病室を作成した.学生が仮想病室の天井に用いる画像(天井画)として単体で見た際にもっとも適していると判断した題材であっても,病室の天井画像としてはめ込んだ同じ画を見た際に否定的意見が生じた.仮想病室の作成と提示により,「学生が,素材画を単体で見る時と,病室の天井画としてみるときでは評価に差があること」の気づきに役立つことが確認された.

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© 2017 産業医科大学
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