2013 年 39 巻 p. 13-24
本研究は,小学校の統廃合により教育の機会が失われた地域はその将来像を描くことは容易ではないとの立場に立ち,統廃合問題を契機として住民が転入者増に向けた活動を行う三つの中山間地域を対象に,持続的な居住支援システムのあり方について検討した。その結果,住民活動団体が行う転入者の受け入れの仕組みや地域生活に馴染むための生活支援の実態とその特性,それら活動による成果を明らかにした。さらに,転入者の受け入れにおける支援システムのモデルを構築した。それに加え,こうした住民活動が展開する上での行政や学校側における課題を整理し,またスケールとして「小学校区」の意義を指摘した。