2026 年 79 巻 9 号 p. e206-e210
牛のサルモネラ症は近年増加傾向にある.中でも,Salmonella enterica serovar Dublin(SD)が感染した場合,糞便中への排菌が間欠的で,分離培養による汚染度把握が困難であることが課題である.本研究では,SD対策として,農場汚染度を迅速に把握し,衛生管理を向上させることを目的に,SD由来のLPS抗原を用いた間接ELISA系(SD-ELISA)を確立した.SD発生農場における実地調査では,129頭中,菌分離された1頭を含む48頭がSD-ELISA陽性であり,SD-ELISAが農場の汚染を把握できる手法であることが示された.SD-ELISAの結果と症状や疫学情報を併せて総合的に判断することにより,農場の早急なまん延防止対策に貢献できる可能性がある.