日本獣医師会雑誌
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高カリウム高グルタチオン赤血球犬のタマネギ中毒時の酸-塩基平衡障害
菱山 信也廣間 純四郎比嘉 一成藤瀬 浩
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2000 年 53 巻 3 号 p. 149-153

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抄録
タマネギ中毒が推察された高カリウム高グルタチオン (HK/HG) 赤血球犬の溶並1性貧血症例と実験的にタマネギを投与したHK/HG赤血球犬について, 貧血発症時の酸-塩基平衡障害, 電解質などの経過を追跡した. 臨床例は, 来院日 (発症後1日) にPCVは15.9%, Hbは5.0g/dlであり, 重度の貧血を呈していた. 発症後1日の血液HCO3-濃度とPCO2が低く, 代謝性アシドーシスが呼吸により代償されていた. 発症後2日にはHCO3-濃度はさらに減少し, 酸血症 (pH 7.25) を示したが, 3日にはHCO3-濃度は増加しはじめpHは7.38に回復した. 貧血は再生性であり, 発症後12日には治癒した. タマネギ投与実験例でも同様の経過が観察され, 臨床例はタマネギ中毒であったと考えられた. 臨床および実験例ともに, HK/HG赤血球溶血で危惧された高K血症は認められなかった.
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