Journal of Veterinary Medical Science
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細菌学:豚丹毒菌の血清型2型株間における67kDa感染防御抗原の量的多様性と感染防御能との関係
北島 崇大石 英司網本 勝彦宇井 聡中村 久江小田 健司片山 茂二出水田 昭弘清水 悠紀臣
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2000 年 62 巻 10 号 p. 1073-1077

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抄録

豚丹毒菌Kyoto株(血清型2)より調製したNaOH抽出抗原を用い,67kDaタンパクに対するマウス単クローン抗体を作出した結果,2種類の異なるエピトープを認識する単クローン抗体が得られた.受身防御試験成績より作出した単クローン抗体は藤沢株(血清型1a)攻撃に対して防御能を示すものと,示さないものに分類された.豚丹毒菌野外分離株15株について単クローン抗体を用いたイムノブロッティングを実施した結果,67kDa防御抗原の含有量に差が認められた.マウス感染防御試験において,野外分離株15株の不活化全菌体ワクチン(バクテリン)は藤沢株攻撃に対して異なる防御成績を示した.すなわち67kDa防御抗原含有量の多い野外株バクテリンでは高レベルの抗原特異的抗体と高い防御効果が認められた.以上の結果より,豚丹毒菌(血清型2)の感染防御抗原である67kDaタンパクの含有量は株によって異なっており,これが株間の免疫応答の差に関与していると考えられた.

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