日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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緑膿菌感染による馬の角膜潰瘍に対するOEPワクチン, プロテアーゼトキソイド, エラスターゼトキソイドの免疫効果
上田 八尋, 本間 遜, 阿部 千代治
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1982 年 44 巻 2 号 p. 289-295,300

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抄録
緑膿菌感染による馬の角膜潰瘍を予防する目的でOEP, プロテアーゼトキソイド, エラスターゼトキソイドからなる Multi-component vaccine を馬に応用した. ワクチン接種をした馬は極めて良好な抗体を産生し, 抗体が十分に産生されたところで感染防御試験を行った. ワクチン接種馬2頭と非ワクチン接種馬2頭の角膜に傷をつけ,そこにプロテアーゼとエラスターゼを産生する緑膿菌IFO 3455株の5.2×107/mlを滴下し, 感染によって起る角膜障害を無加療のまま6日間にわたって観察した. ワクチン接種をした1頭は軽い糜爛を呈しただけで間もなく治癒した. 他の1頭は軽度の潰瘍を発症したが, その潰瘍は上皮部分にとどまり, 周囲からも限局したままで悪化することもなく, 観察期間の終期には良化傾向が観察された. これに対して, 対照とした非ワクチン接種馬2頭は, いずれも重度の角膜潰瘍と膿瘍を発症して失明した. このことから Multi-component vaccine は緑膿菌感染による馬の角膜潰瘍にも有効であることが判明した. また, 対照とした非ワクチン接種馬から, 緑膿菌感染による角膜潰瘍と膿瘍の進行過程を詳細に捕えることができた. すなわち, 角膜外傷部は感染によって糜爛し, 次いで小潰瘍に移行する. その潰瘍の外周には上皮剥離部が形成され, その翌日にはこの上皮の剥離した部分に潰瘍が形成される. 再び, その外周に上皮剥離部が形成され, 膿瘍がこれを追いかけるように拡大していった. このような進行過程の詳細は野外例における病勢, あるいは予後判定に有意義であろう.
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