抄録
乳牛の分娩性低Ca血症の予防に関して, 1α-hydroxyvitamin D3 (1αOHD3) の泌乳牛に対する効果を調べた。分娩後1.5~3.4カ月のホルスタイン種泌乳牛5頭 (1αOHD3群) にエタノール3mlに溶解した1αOHD3500μgを筋肉注射し, 投与後14日まで血漿1,25 (OH)2D濃度と無機成分の推移を6頭の対照群と比較観察した。投与群の1,25 (OH)2D濃度は投与後6時間 (123.3pg/ml) 以降対照群に比較して有意に高く, 投与後2日では最高値 (307.1pg/ml) に達し, その後は低下して投与後10日には24.2pg/mlであった。投与群の血漿総Ca濃度は, 投与後2~7日 (10.6~10.9mg/dl) まで対照群に比較して有意に高かった。投与群のイオン化Ca濃度は, 対照群のそれに比較して投与翌日から上昇し, 投与後3日に最高値に達し, 14日には低下した。これらの成績から, 分娩性低Ca血症の予防のための1αOHD3500μg1回筋肉注射は, 分娩前2~5日に行うのが適当と考えられた。